第3回 毎日エクステンション・プログラム
「北京大学・サマーキャンパス2010」 <報告・3日目>

3日目 「定窯遺跡」&「北岳廟」 視察

8月20日、晴れ。午前8時半、全員、元気にチェックアウトを済ませ、特別講義で学んだ陶磁器遺跡の一つ、「定窯遺跡」へと向かいました。保定市の西方、約55キロ・約2時間半の旅です。バスは「京昆高速」を曲陽県手前の唐県で下り、ここでも現地ガイドを乗せ、トウモロコシ畑が広がる一帯を西へ向かいました。やがて前方には山々が見え始め、景色も徐々に荒々しい岩山に囲まれたような平原へと変わってきました。更に進むと、露天掘りされ、まるで地震で崩壊したような石灰岩の山々が現れ、沿道には城壁のような石組の石灰窯が点在し、石灰岩を満載した大型トレーラー群が白い土埃を巻き上げて疾走していました。


北京大学SUMMER CAMPUS

午前10時半、幹線道路から脇道に逸れ、やっとの思いで目的地に到着すると、畑の中に「定窯遺跡・文物保管所」の看板を掲げた煉瓦つくりの建物がポツンと建っていました。定窯・白磁器の現代工房で、原材料となる石灰石の粉造りから鋳型、釉掛け、完成品までの作業工程が部屋毎に配置してあり、作業員が発掘された文物と同じ形の作品を熱心に造っていました。

北京大学SUMMER CAMPUS一行はここで、それぞれお気に入りの作品をお土産に購入した後、2009年末の発掘調査で発見された金代定窯の窯炉遺跡へと向かいました。発掘現場は既に元の畑に戻された状態でしたが、辺りには陶磁器の欠片が散らばっており、ここでもお宝探しで一行は大喜びでした。隣接する定窯遺跡の「展示庁」では、様々な鋳型や文物、窯跡等から、宋金時代の大規模な大量生産の様子を伺い知ることができました。


約1時間の見学後、バスは道路を大きく迂回する形で南の曲陽県へと向かいました。約50キロメートル、約1時間の旅です。途中の道路は石灰岩と石炭を満載した大型トレーラーが列をなしての大渋滞でした。道路はその重量に耐えられずにデコボコ状態で、沿道はやがて、石灰岩から石炭の採石置き場へと置き変わり、白から今度は黒い土埃で、沿線の住民にとっては息苦しいような情景が続いていました。経済発展の裏で進む地方都市の大気汚染の実態が伺えました。午後12時半、曲陽賓館にて昼食。一行は定窯遺跡で見つけた陶磁器の欠片やお土産の白磁を見せ合いながら、楽しい話が続きました。


北京大学SUMMER CAMPUS午後1時半過ぎ、曲陽県の街中にある「北岳廟」へと向かいました。北魏の宣武帝の時代に建立されたもので、五岳の一つの北岳(山西省東北部の恒山)が祭ってあり、境内は街中とは別世界の静けさで、広々としており、南から北へ向かっていくつもの門や建物が並んでいました。元時代の建物と言われている、荘厳な瑠璃瓦葺きの「徳寧之殿」が全体の中心に位置しており、殿内には大きな壁画「天宮図」が描かれていました。

境内には破壊された石の仏像や建築物の遺石とともに、幾つかの碑林が展示してあって、両先生の解説に耳を傾けました。境内は参拝客も少なく、中国人観光客が数組いるだけで、外国人観光客はほとんど見かけませんでした。


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午後3時、「北岳廟」での見学を終え、ここで現地ガイドと分かれ、南南西に位置する石家荘市へと向かいました。約173キロメートル、約2時間の旅です。高速道路までの沿道には、石炭に代わって、大理石か花崗岩と思われる大きな庭園用の自然石とともに、中国伝統の獅子像や龍像等に混じって西洋のビーナス像等の石像彫刻置き場が立ち並び、この辺り一帯が多種多様な鉱石の一大生産地であることが伺えました。

午後5時過ぎ、「京昆高速」を下り、石家荘の市街地へと向かうと、道路は一段と幅広くなり、周囲は更に立派な高層ビル群や大型のショッピングセンターが立ち並び、整然とした新市街地区となっていました。外車がやたらと目立つ街中は、車や電気自転車とともに大勢の人々で賑わっており、活気に満ち溢れた近代都市という印象でした。

一行は徐先生の案内で、北京大学考古文博学院の実習基地がある「河北省文物研究所」に立ち寄り、「定窯遺跡」で発掘された文物の収蔵・修復状況を見学しました。この後、徐先生と稲畑先生は同研究所の責任者との会食で別行動となり、受講生一行は午後6時半、市内中心部にある、豪華な五つ星ホテル「石家荘中茂海悦酒天」にチェックインを済ませた後、近くのレストラン「金山餃子賓館」での夕食となりました。ガイドの張さんと運転手も同席し、強行日程の前半を終えての各自の感想を話題にして、この日はゆっくりとした夕食タイムとなりました。

【豆知識】

石家荘は河北省の省都で、北京の南西280キロメートルに位置し、人口約1,000万人の大都会で、主要な鉄道や高速道路が交差する交通の要衝となっています。県級市の新楽市には伏羲台があり、伝説上の伏羲氏の故地でもあります。戦国時代には中山国が形成され、平山県には中山国の都城遺跡があります。日本向けの冷凍食品を製造している、例の「天洋食品」はここにあります。




 「北京大学・サマーキャンパス2010」 報告

報告 1日目 「開講式」&「歓迎会」

報告 2日目 「特別講義」&「燕下都遺跡」 視察

報告 3日目 「定窯遺跡」&「北岳廟」 視察

報告 4日目 「響堂山石窟」「磁州窯遺跡」&「」 視察

報告 5日目 「殷墟」&「曹操高陵」 視察

報告 6日目 「龍門石窟」&「二里頭遺跡」 視察

報告 7日目 「河南博物院」見学・「鄭州商城」 視察 & 「修了式」兼「歓送会」

報告 8日目 自由行動


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 重点遺跡の視察レポート・ダウンロード

「北京大学サマーキャンパス2010」にて訪問した重点遺跡の視察報告、および補足の解説をまとめたレポート(PDFファイル)を作成いたしました。下記リンクよりダウンロードできます。

pdf 「北京大学・サマーキャンパス2010」重点遺跡レポート (PDF/1.77MB)


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